ブラインド伴走三原則
 心構え

スキーヤー《マニュアルを読む前に》

次のページからブラインドスキーのマニュアルが書かれています。このページはマニュアルを読む前に、ブラインドスキーヤーをサポートしようとするあなたに、伴走技術を覚える前に心構えとして最低限覚えておいて欲しい『三原則』が書かれています。
伴走経験豊富な方も、初心に帰って安全なスキーを楽しめるように、時々このページを読み返してください。

 「安全なスキーを心がける」

 当たり前のことですが、ついつい忘れてしまうことが「安全第一」という言葉。ガイドすることに少し慣れてくると注意力が散漫になり、指示が遅れたりブラインドスキーヤーから目を離してしまいがちです。次ページ以降のサポート法のように、スキーヤーを挟んで前後に二人の伴走者がつく場合、後走者はスキーヤーが停止する瞬間まで、決して目を離さないように心がけてください。
 一番危ないのがある程度滑ってきてストップする間際。リフト乗り場やレストハウスなど人が多いところで止まることも良くあること。最後の最後で第三者とぶつかってしまってはいけません。最後の「止まれ」「ストップ」の掛け声をかけて、スキーヤーが止まる最後の瞬間まで目を離さないでください。
 そして第三者や立ち木などにぶつかりそうな緊急の時には、
「転べ」「止まれ」「ストップ」などの声を大声でスキーヤーに掛け、絶対にそれらとぶつかる事の無いようにガイドしてください。この緊急の際に止まる言葉は、滑走を始める前にスキーヤーと相談して決めておくといいでしょう。


 「指示は簡潔に」

 スキーヤーへの指示は簡単・簡潔がベストです。スピードに余裕があり、スキーヤーもある程度の技術を持っている場合には、「前にボーダーが転んでいるから左に行くよ」と声を掛けることも可能ですが、こんな時も一言「左」と声を掛けるだけで十分です。掛け声は
「左」「右」「止まれ(ストップ)」の3つだけで指示できるようにしてください。


 「一般スキーヤーとの距離を保つ」

 ゲレンデにいる一般スキーヤー(第三者)は、
ゼッケンやビブスをつけて滑っているブラインドスキーヤーと伴走者を見てもそれが何をしているのかまず分かっていない、ということを頭に入れておいてください。長野パラリンピックでスキー競技を見て「盲人でもスキーができるんだ」ということが分かった人もいるかも知れませんが、自分が滑っているゲレンデに、まさかブラインドスキーヤーがいると思っている人は皆無に等しいでしょう。たとえ「ブラインドスキー伴走者」というビブスを着用していても「何だか大きい声を出している団体がいるなー」と思われているのがせいぜいです。ですから、伴走者とブラインドスキーヤーの間を割って滑ってきたり、ブラインドスキーヤーの前に急に飛び出してきたり近寄ってきたりする第三者がいることを覚えていてください。
 まず滑り出す前にタイミングを見計らって、第三者との衝突を避けれるような状況で滑り始めること。また、滑っている途中で第三者が近づいて来ないようなコースで滑ること。そして第三者との接触が避けられないような状況になってしまったら、「止まれ」や「ストップ」の指示を大声で掛けること。これを忘れないでください。


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