ブラインドスキーヤーをサポートする時に
1) 準備編
フリー滑走イメージ

《はじめに》

このマニュアルはブラインドスキーヤーを初めてガイド(サポート)する人に向けて、その方法や注意点について書かれたものです。ただし、サポートするブラインドスキーヤーのスキー習熟度(経験)の違いや、障害の程度(全盲なのか弱視なのか)によって、マニュアル通りにいかないことがよくあります。あくまでも標準的なサポートの仕方としてお読みいただき、実際のサポートの際には経験者の方のアドバイスやスキーヤー本人の要望を聞きながら、楽しく安全なスキーができるようにご配慮ください。


《サポートする前に》
日常生活におけるサポートの方法について簡単に別紙にまとめています。スキーのサポートについての知識を頭に入れていただく前に、こちらをお読みいただき、移動の際や宿舎でのサポートに役立ててください。



《宿舎からゲレンデまで》

[部屋での準備]
1. 外の天気を確認したり、天気予報を参考にして、「今日は陽射しがきつそうで暑くなるかもしれないぞ」とか「雪が降っている。今日は一日中降りそうだ」などと天候状況を同室のスキーヤーに伝えてください。
2. スキーヤーが着替えたら、ウェアの不備(バックルの止め忘れなど)がないか確認する。ウェアを入れてある荷物などは自分で位置を確認しているので、手の出し過ぎは本人の混乱を招きます。
3. 初心者のスキーヤーは着膨れしがちです。ウェアに対する知識も乏しい場合があるので、天候に合わせてアドバイスをお願いします。


[用具の準備]
1. レンタルスキーなどは係の者が調整をします。スキーヤー本人がそれらを受け取ったら、まず道具のチェックをお願いします。ビンディング、靴のバックル、ストックの曲がりなど。スキーヤーにはメーカーや色などの特徴を伝えて他のレンタル品と間違えない様に助言してください。
2. 鈴、マイクなどのガイド用の道具をチェックしてください。

[ゲレンデへ]歩行誘導
スキーヤーが初心者の場合
スキー靴での移動に不慣れなため、スキーとストックの両方を持って移動できません。スキーヤーのストックを預かり、スキーを担いでいないほうの腕を貸して誘導してください。
スキーヤーが経験者の場合
誘導に使う腕と逆側の肩に、それぞれがスキーとストックを持って誘導する。スキーバンドを用意しておいてスキーとストックをまとめておくと便利。



[ゲレンデについたら]ゲレンデ状況を説明する
1. ゲレンデ状況などをスキーヤーに説明してください。特に初めて訪れるスキー場の場合、全体のコースレイアウト、滑るコースの長さや幅、斜度やコブの状況、リフトの位置など、できるだけ詳しく伝えてください。
2. 雪質や積雪量、障害物やブッシュなどのコースコンディションも確認し、伝えてください。
3. 人の入り具合(混雑状況)も大事な情報です。初心者や子供が多いコースなのか、学校などの団体がいるのか、ボーダーが多く滑っているのか。
4. これらの情報は滑るコースを替える毎に伝えてください。また、リフトに乗っているときに逐次伝えるのも有効です。


2) 滑走編へ 滑走編へ


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